Column

【時事解説】高まるSDGsへの関心と企業の取り組み その2

 SDGs(エス・ディー・ジーズ)という言葉を耳にする機会が増えました。SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。17個の目標は、すべての人に健康と福祉をなど、現代社会の課題を凝縮したものになっています。もちろん、SDGsは取り組みが義務化されているものではありません。自主的に取り組む点に特徴があります。

 また、SDGsは気候変動などを配慮するために、経済活動の自粛を要請するものではありません。気候変動に関する代表的な取り組みには、ごみを減らしCO2を削減するといったことがあります。むしろ、SDGsの目標9番は「強靭なインフラ、工業化・イノベーション」、8番は「包摂的で持続可能な経済成長、雇用」がうたわれています。企業はイノベーションを活用して社会の課題解決に取り組み、結果、新たな市場を開拓することで、経済成長や雇用も拡大するという形が基本になります。

 具体的な取り組みを挙げると、ハウスメーカーでは、窓をはじめ建物全体の断熱性能を高めることや太陽光発電などによる「創エネ」を活用して、住宅の省エネルギー化に取り組んでいます。そこには、高い断熱性能の窓の開発や、美観を損ねない瓦型太陽光パネルの開発など、新たな技術が生み出されています。結果、目標13番の「気候変動への対処」を実施しながらも、9番のイノベーションにも取り組むことを実現しています。SDGsはメーカー以外にも、様々な分野で取り組みが可能です。銀行の中には、企業を対象にSDGsの事業化に向けたコンサルティングを始めたところもあります。

 自社はSDGsを活用して何ができるか。検討することは、経営のヒントを探ることに繋がるといえます。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)