【時事解説】長期インターンシップがもたらす効果 その1
わが国の採用形態のあり方が多様化する中で、学生と社会の接続に関する取り組みの一つとしてインターンシップが挙げられますが、就業体験を伴わないものや実質的な選考を含んでいるものが一定程度含まれているなど、多様な活動がインターンシップと称して行われているのが実態です。一方で、インターンシップの推進は学生のキャリア観形成にも効果があるものと考えられます。
こうした状況を踏まえ、文部科学省及び経済産業省では2019年度に「学生・企業の接続において長期インターンシップが与える効果についての検討会」において、長期インターンシップに関する様々な調査を実施しています。
上記の調査の中で、学生を対象として実施されたアンケート調査(有効回答数1,373人)の結果をみていきましょう。
まず、最も長く経験したインターンシップの期間について聞いたところ、インターンシップ未経験者が35.9%、1日が18.3%、2~5日未満が14.7%、5~10日未満が19.2%、10日~1か月未満が8.8%、1か月以上が3.1%となっています。最も長く経験したインターンシップで実施した内容についてみると、インターンシップの参加期間が長いほど、実際の業務に触れられる内容となっています。
インターンシップの良かった点についてみると、「自分の適性を知った」「自分の弱み・強みを知った」という項目については、インターンシップの期間が長くなるほど満足度が高くなる傾向がみられます。さらに、インターンシップの参加期間が長くなるほど、学修行動における効果が大きくなるとともに社会への関心等も高まる傾向にあります。
このように、長期インターンシップへの参加は学生にとってさまざまなメリットがもたらされるのです。(つづく)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)