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【時事解説】中小企業におけるSDGsの活用 その1

 中小企業を取り巻く大きな事業環境の変化の一つにSDGsへの関心の高まりがあげられます。SDGsとは、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことで、社会が抱える問題を解決し、世界全体で2030年を目指して明るい未来を作るための17のゴールと169のターゲットで構成されています。

 以下で、環境省「持続的な開発目標(SDGs)活用ガイド(第2版)」に基づき、企業におけるSDGs活用の4つの可能性についてみていきましょう。
 1点目として「企業イメージの向上」があげられます。SDGsへの取組みをアピールすることで、多くの人に良い企業イメージを与え、より多様性に富んだ人材確保にもつながるなど、企業にとってプラスの効果をもたらします。
 2点目として「社会の課題への対応」があげられます。SDGsには社会が抱えている様々な課題が網羅されており、これらの課題への対応は、経営リスクの回避とともに、社会への貢献や地域での信頼獲得にもつながります。
 3点目として「生存戦略になる」ことがあげられます。取引先のニーズの変化や新興国の台頭など企業を取り巻く環境変化に対し、今後はSDGsへの対応がビジネスにおける取引条件になる可能性もあり、持続可能な経営を行う戦略として活用できます。
 4点目として「新たな事業機会の創出」があげられます。この取組みをきっかけに、地域との連携、新しい取引先や事業パートナーの獲得、新たな事業の創出など、今までになかったイノベーションやパートナーシップを生むことにつながります。

 このようなSDGsの活用は、意思決定のスピード、地域での信頼やつながり、創意工夫と柔軟性などの特徴をもつ中小企業だからこその強みが生かせる分野なのです。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)